2010年11月。高千穂神楽を拝観するため九州を訪れた際、豊後高田市にある熊野磨崖仏を訪れました。
国東半島の磨崖仏は、以前から関心があったのですが、”九州まで!!”という意識があり、なかなか出かけられませんでした。民俗芸能である高千穂神楽にも以前から関心があったので、両方を拝観しようと出かけることにしました。
熊野磨崖仏は、豊後高田市田染の今熊野山胎蔵寺から山道を登っていきます。入山料を納めしばらく歩くと、鬼が一晩で積み上げたといわれる、自然石を乱積にした石段があります。この急峻な石段を登ると左手が一気に開け、岩壁に刻まれた2体の巨大な磨崖仏が現れます。
向かって左は高さ約8メートルの不動明王像です。半立像で比較的軟らかく加工しやすい岩壁に刻まれているためか風化が進んでいます。不動明王としては珍しく柔和な表情で、笑みを浮かべているようにも見えます。左右両脇には高さ約3メートルの矜羯羅童子(こんがらどうじ)と制多迦童子(せいたかどうじ)像が彫られていたそうですが、風化が激しく痕跡程度しかわかりません。
また、向かって右は大日如来です。高さ約6.7メートルの半立像。高さ約8メートルのくぼみ(龕(がん))の中に彫られています。頭部背面には種子曼荼羅(しゅじまんだら)が刻まれています。この大日如来は不動明王像よりも制作年代が下ると推定されています。
両仏共、お顔は比較的きれいに残っていますが、首から下の身体の部分は風化が激しく、岩肌がそのままになってしまっています。
不動明王と大日如来との間に、1.5メートルほどの方形の龕が彫られ、中に2〜3体の磨崖仏が見られます。神像らしいのですがよくわかりません。
そこからさらに石段を登りきると、熊野神社があります。小さなお堂とお地蔵様やいくつかの石仏が見られます。
不動明王像、大日如来像共に平安時代後期の磨崖仏で、国の重要文化財(1964年5月26日指定)及び史跡(1955年2月15日指定)に指定されています。 |